9/15 from istanbul


イスタンブールも3日目になり、

街にもちょっと慣れてきたところ。


こんなときは、

ぶら~っと歩いて回るのもよし。



おっと、気付くとお金がピンチ。

銀行で両替することを始めの仕事に選ぶも、

大都市なのにレートがいまいちで渋い顔。


しかも、イスタンブールなら両替できるかもと聞いていた

シリアポンドが両替できず、多くのお金がただの紙くずに消えた。。。



さて、

一大観光スポットのグランドバザールにでも行って見よう。


暑い暑い中、20分近く歩いてバザールへ到着。


グランドバザール


市場を周るのは好きだけど、

やっぱり観光地化された市場はなんか違和感を感じる。


グランドバザール



特に今は荷物になるから何も買わず早々に出まして、

カッパドキアで出会った知運さんオススメのスュレイマニエ・ジャーミィへ。


途中で大きなブドウの房、2つを2ドル程で買って

歩きながら丘を登る。


大学のような建物を過ぎると

そこは静かな佇まいのスュレイマニエ・ジャーミィ。


スュレイマニエ・ジャーミィ


お昼時に差し掛かり、

中では信者のみが参加できる儀式を行っていて

自分は蚊帳の外。


でも、ブドウがあれば大丈夫。

気持ちいい風が通る日陰の下、

ブドウを1粒1粒ほおばりながら、

静かに儀式が終わるのを待つ。


ぶどう


そんなとき、子どもが寄ってきた。

なにやら、その子どもたちは

儀式から出てくる信者たち相手に物売りのビジネスをしている

たくましい子どもたちのようだ。

でもそこはまだ幼い子どもたち、

ブドウを餌にすると簡単に寄ってきた。


ジャーミィの子ども

しばらく子ども達と、涼しい風を愉しみながら時が過ぎるのを待つ。


スュレイマニエ・ジャーミィ


13時も過ぎると、

こんなにも中に人がいたのかという位、どっさりと人が溢れ出てきた。


ようやく中に入れると、

そこはブルーモスクに負けず劣らず素晴らしいジャーミィ(モスク)。


スュレイマニエ・ジャーミィ


なんだ、

イスタンブールはどのモスクに入っても驚かされるんだな・・・、

なんて思っていると、


そこには荘厳な信者たち。


祈り



祈り



美しいショットも撮れて満足。

静かで観光客が少ないのに美しいこのジャーミィが好きだ。

スュレイマニエ・ジャーミィ



子丘にあるスュレイマニ・ジャーミィからは、

昨日訪れたガラタ塔やガラタ橋が眺望できる。


初めての土地は距離感がわからないものだけど、

歩いていけるエリアしか動いていないものなんだな~。


お腹が急激に減っていたので、

全くローカルなお店でドネールケバブをほおばる。


頼んだコーラがまた格別にうまい。

ハンバーガーとコーラは世界共通の組み合わせなのだと再実感する。


坂を下れば、あらアッという間に昨日のイェニ・ジャーミェに出る。

その脇にはエジプシャンバザールが広がる。


エジプシャン・バザール


ここはグランドバザールより中東の香りがするものの、

つい1ヶ月前にエジプトに滞在していた者にとって、

あまりにその名との違いがありすぎる。


しかし!

商売っ気丸出しのこの市場のお店で

トルコ菓子をお土産に買ってみる。


どこだって買物はコミュニケーションだ。

店主との信頼、その店で買う気になったら値段などそう気にならないのは

観光客だけなのだろうか。


エジプシャン・バザール

ストレスフルなエジプシャンバザールを出て、

再び歩いてグランドバザールへ。


意外と近いはずなのに、方向感覚を失っているため

不安になりながらさまよう。

でも、ちゃ~んとたどり着くのがまた不思議。


エジプシャン・バザール


部屋着になりそうな

トルコ一番人気のフットボールチーム「ガラタサライ」

のTシャツを買うのに交渉開始。


4000円ぐらいから始まり、


「高すぎるわオヤジ、1700円ぐらいじゃないと買う気がしないね」


といってちょい無茶めに出て、店を離れようとすると、


「おいおい待て待て、じゃあその値段にしたる!」


と言うので、案外といけるもんだな、と心で笑いました。



しかし、

他の店で同じものを売っていたので試しに値段を聞いてみると、


「それレプリカでしょ?もっと安い値段で買えるよ」

と、教えてもらいました。


・・・


本物のシャツは高いのだけど、

レプリカはべらぼうに安い。。。


完全にだまされたと思って、

先ほどの店へ戻って返品しようとするけど、

クーリングオフは適用できず。

もはや手遅れ。完全に自分が甘ちゃんでした。


「誰も本物だとは言ってないだろ?」

と一蹴されました。


旅中の交渉は慣れてきたと思っても、

まだまだ現地の人の方が1歩も2歩も上手なんですね。



そもそも感覚が狂うのはイスタンブールの物価の高いから、

そして観光客が多いために観光客プライスに狂ってしまうんだ

と他人に責任を押し付けるように・・・笑



他にも、最後の都市となるイスタンブールでは、

お土産をたくさん買ってみる。


エジプシャン・バザール

チャイを愛する中東地域から帰る者にとって、

チャイグラスは何とも懐かしくなりそうな最適なお土産だと思った。


トルコの地酒「Raki」もこの側で買うことに。

※白くにごるはみがき味のようなお酒


そうこうしているうちに陽は落ちる。


宿の人と、

ブルーモスク前でディナーを。


そんな好立地でも

ひもじく一番安いメニューを頼むのは、

バックパッカーの使命。


でも、それが楽しくてやってるのだから仕方ない。

景色と心持ちが素晴らしければ、最高に満足な種族なのだから。


ブルーモスク

謎の伝統舞踊を傍目に見ながらの食事は何とも違和感のあるもの。


儀式


飛行機に乗る前日に飲みすぎると危ない、というのは前回の旅で学んだ。

だから、もう遊べる日としては最後の夜と言える。


最後のアバンチュールに・・・

と夜遊びをしたいのが旅人の心理。


バンコクではナナプラザやソイカウボーイを見学したように、

カンクンではサルサバーへ出入りしたように、

イスタンブールでは、タクシィムが最適だという情報を得た。



夜、ひとりで平和な宿を飛び出し、

タクシーを拾いにブルーモスクの前へ。


さて、悪夢の始まりである。


できれば恥ずかしくて書きたくないことだけど、

次に続くものが出ないように、

また10年後の自分がこの日記を見て笑えるように書くとしよう。


ブルーモスクの前でタクシーを捕まえようとすると、

30歳ぐらいの金持ちそうなジャケットを着た男が寄ってきた。


「 これからタクシィムへ行くのか?

  俺もタクシィムへ行きたいんだけど

  タクシーを相席しないか? 」


そんな誘いは旅人には絶好である。


タクシー費を折半して

いざタクシィムエリアへ。


タクシーの中で、男はたくさん質問をしかける。


「 タクシィムは初めてか?

  それなら俺がいい店を知ってるぜ。」


「 クレジットカードは持ってるか?

  俺はいつもクレジット払いなんだ。

  なんたって楽チンだからな 」


今の正常な判断ができれば、

この時点で気付くのが当然である・・・。



夜のタクシィムへ着いた俺は、

完全に気分が高揚していた。


初めっから自分で店を探すつもりでタクシィムへ向かい、

男とはタクシーを折半するだけのつもりだった俺は、

なぜか最後のアバンチュールとばかりに

いつのまにか失敗しない店選びをしようとしていた。


万全の計画性をもった男に誘導される店は

そこが間違いない店であると確信させられていた。



「ここが俺の行きつけの店だ。」


扉を開けると


悪夢

うん、確かに楽しそうな店だ。

ベリーズダンスなんて

バックパッカーには見られないと思っていたのにここで見られた。

そこまでいかがわしくもないお店。


メニューを見ずにウィスキーを頼む男を見て、


「それいくらだ?」 と聞くと、


「500円だ 」 と言う。(もはやあんまり覚えてない)


さすがにちょっと高いけど、

まあ店が店だからな、と思って承諾していた。


周りには旅行者もいるようだし賑わっている。

安心要素は確かにあった。



キレイなロシア人女性がその男と自分の横につき、

その子たちにも酒をおごってあげなくてはいけないシステムらしい。

(キャバクラみたい?)


確かに美女だった。

美女過ぎて、また店内のサウンドがうるさくて

あまり話せなかったのを覚えている。


そうこうしている1時間ほどで

酔っ払ってきて、さあそろそろ出るか、


「お会計!」


の場面である。


桁が1ケタ増えている・・・。


「あれ、ケタ違うよな?」


と男に話しかけている自分がいるのだから、

まだこの時点では何が起きているのか分かっていない。


男は、


「いーや、確かにこの金額だ」


と言って、男は笑みを浮かべながら店の人間とコソコソ話をしている。


現金がないのならATMで。


ということで、強制連行された自分は、店の外へ引っ張り出される。


海外でATMなんか使ったことも無く、

ましてやウィスキーの酔いが回っていることもあって、

本気で金を引き出せない。


いっそのこと、逃げてやろうかとも思ったが、

店の男は2名、背後についていて逃げられる様子ではない。


「お金を降ろせないのなら・・・」

そういって店へ再び戻されそうになったとき、


「もう1回だけチャンスをくれ」


ボコされるのだけは勘弁な俺は

そう必死に再度チャンスをせがんだ。


奇跡的にも金を引き出せ、

なんとか最悪の事態だけは間逃れた。



「それでは、もう1杯サービスしますのでお店でおくつろぎください」


そう言って満足げな店の者に連れられ店に戻ると、

先ほど俺の横に座っていたロシア人が

ステージ上でストリップをしている。

それも、、、


「あんたバカね」


と言わんばかりなあざ笑い顔で。。。

こちらに微笑を投げかけている。


俺は、まだ状況がいまいち整理できていない。

そして、男に言った。


「俺を騙したのか・・・」


男は首を横に振ったが、

あきれた俺はトイレに行くふりをして店を出た。


完全に酔っ払った俺は、

腹いせに(半分意識もうろうの中)そこらで立ちションをして宿に戻る。


今までいくつか旅をしてきたが、

こんな不用意なミスをしたのは始めてだ。


ドッキリに引っかかったらこんな感じなのかもしれない。

全員がグルだったのだろう。男も店の人間も。だから男は金持ちなのだ。

ぜひ気をつけてもらいたい。


というか、後でガイドブックをみたら、

[ 注意すべきクライム ] 欄にバシッっと全く同じ手口が載っていた。


何事も、慣れてきた頃が一番危ないもんです。

宿に着くなり、ゲロ連発。

いつの間にかトイレでおやすみ。


タクシィムという場所は、最悪の思い出の地となった。



目が醒めて気がつくと

同じくタクシィムへ遊びに行っていた宿のスタッフが、

俺のほうをキョトンと見ていた。


実は彼もまた、今宵タクシィムを嫌いになった男の一人。


変な男に催涙スプレーをかけられて

財布も何も全て盗まれたらしい。まだ目が見えないという。


そんな最悪体験をした、俺並みの悪夢体験者だった。

同士よ、タクシィムには気をつけよう。




ああ、頼むから悪夢であってくれ。